《米国株》ハイリスク・ハイリターンなレバレッジETF、「SOXL」!過去の暴落率を調べてみました。
おはこんばんわ!たこやきです。
こちらのページをご覧の方は、おそらく米国株をやってらっしゃる方だと思います。
そして「SOXL」というETF、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
「SOXL」は、
フィラデルフィア半導体 (SOX) 指数の3倍の値動きを目指すレバレッジ型ETF
です。
元指数の3倍の値動きですから、上がったときも、下がったときも3倍ですので、とてもスリリング♪
米国株ETFをとりあつかう各証券会社のETFランキングでも、つねに上位10位以内にはいる、大変人気のあるETFです。
このSOXLについては、多くのブログが紹介してくれていますので、詳しい説明はしません。
ぜひ、他サイトさんを参考にしてください(笑)。
今回は、このレバレッジETF「SOXL」の過去の暴落率について、調べてみました。
自分が保有する資産のリスクについて正しく理解するのは、
自分の投資方針を決定する上で最も重要なこと、とたこやきは考えております。
最悪このくらい暴落するよ、という覚悟(笑)の参考になるかと思いますので、ぜひご覧ください。
SOXLって、どのくらいもうかるの?
驚異のリターン、60.71倍
このSOXL、元指数である「SOX」の日々の値動き×3ですから、上昇気流に乗っかればとんでもない利益が出ます。
2010年3月11日の上場開始 ~ 2021年10月1日現在までで、
約60.71倍
になっているのです!
もし、 2021年9月16日の最高値49.53$で計算すれば、226.56倍・・・。
ちょっと意味が分かりません・・・。
同じ期間、ナスダック100指数に連動するETF、「QQQ」を保有していた場合は、約7.6倍です。
このレバレッジ特有の上昇率は、大変魅力的ですね。
SOXLのリスクは?
暴落率、過去最高は-83.8%
SOXLがとんでもないリターンを生み出すことは、分かりました。
では、下落リスクはどの程度なのでしょう?
暴落の定義、となるとむずかしく、ある程度は人によると思いますが、
それでは検証にならないので、ここでは「直近の最高値から最底値まで、30%以上下がったとき」
としておきます。
2010年3月11日 ~ 2021年10月1日までのカウントになります。
直近高値日 | 直近高値 | 直近底値日 | 直近底値 | 暴落率 |
---|---|---|---|---|
2010/4/26 | $0.94 | 2010/5/6 | $0.22 | –76.6% |
2010/6/23 | $0.64 | 2010/7/1 | $0.43 | –32.8% |
2010/7/27 | $0.65 | 2010/8/31 | $0.35 | –46.2% |
2011/2/18 | $1.26 | 2011/3/16 | $0.78 | –38.1% |
2011/5/2 | $1.04 | 2011/6/20 | $0.64 | -38.5% |
2011/7/7 | $0.83 | 2011/8/19 | $0.36 | –56.6% |
2011/9/16 | $0.57 | 2011/10/3 | $0.33 | –42.1% |
2011/10/27 | $0.60 | 2011/11/25 | $0.38 | –36.7% |
2012/3/27 | $0.77 | 2012/6/4 | $0.36 | –53.2% |
2012/6/20 | $0.50 | 2012/7/17 | $0.34 | –32.0% |
2012/9/14 | $0.56 | 2012/11/16 | $0.34 | –39.3% |
2014/9/19 | $2.09 | 2014/10/15 | $1.14 | -45.5% |
2015/6/1 | $2.83 | 2015/8/24 | $1.00 | –64.7% |
2015/12/3 | $2.05 | 2016/1/20 | $1.06 | –48.3% |
2017/6/9 | $7.54 | 2017/7/3 | $5.20 | –31.0% |
2018/1/23 | $12.50 | 2018/2/9 | $7.82 | –37.4% |
2018/3/13 | $13.93 | 2018/4/25 | $7.71 | –44.7% |
2018/6/7 | $12.52 | 2018/10/29 | $5.42 | –56.7% |
2018/12/3 | $7.86 | 2018/12/26 | $4.43 | –43.6% |
2019/4/24 | $13.76 | 2019/5/29 | $6.90 | –49.9% |
2019/7/24 | $13.47 | 2019/8/5 | $8.70 | -35.4% |
2020/1/24 | $22.07 | 2020/3/18 | $3.57 | –83.8% |
2020/9/3 | $20.76 | 2020/9/21 | $13.89 | –33.1% |
2021/2/16 | $47.85 | 2021/3/8 | $27.50 | –42.5% |
2021/4/5 | $45.30 | 2021/5/12 | $27.81 | –38.6% |
SOXL 30%以上の暴落リスト
・ 30%の下落 : 25回
・ 50%以上の下落 : 6回
・ 最大暴落率 : -83.8%
・ 平均暴落率 : -45.9%
という結果になりました。
黄色マーカーを引いてあるのは、名前のついているような、「~ショック」が起こった時の暴落です。
・ 2010年4月26日の際が「フラッシュクラッシュ」
・ 2020年1月24日の際が、記憶に新しい「コロナショック」
です。
暴落率1位をたたき出したのが「コロナショック」、2位が「フラッシュクラッシュ」になります。
・・・いかがでしょうか。
暴落時には、平均で5割近く下落。
最悪、評価額が2割弱になる可能性がある、ということです。
仮に「リーマンショック」時にSOXLがあったら、どうなっていた?
SOXL上場開始から、最大に暴落したのが「コロナショック」時の-83.8%でした。
では、リーマンショック級の大暴落があった場合、SOXLはどうなっていたのでしょう。
まず、SOXLの元指数とであるフィラデルフィア半導体指数(SOX)の暴落率を計算します。
リーマンショックによる暴落開始時期がいつからか、というのは意外と難しいです。リーマンショックにおける問題の本質は、サブプライムローンでした。
サブプライムローン問題が騒がれだしたのは2006年くらいからだったとされていますので、2006年代の最高値から、最底値までで計算してみました。
直近高値日 | 直近高値 | 直近底値日 | 直近底値 | 暴落率 |
2006/1/27 | $559.6 | 2008/11/21 | $167.55 | -70.05% |
レバレッジではない普通の指数が、直近高値から70%も下落していました・・・。
ちなみに、コロナショック時のSOXの暴落率は、-38.29%でした。SOXLは-83.8%でしたので・・・。
・・・計算できないですね。
少なくとも、-90%以上の暴落さえありうる、ということですね。
ただし、この暴落は数日で起こったことではなく、約3年にわたる長期のダウントレンドです。
途中で売却したり、ショートポジションを持つなりすることで、損失回避する時間は十分あったのかな、とも思います。
また、リーマンショック後、米国株式は上昇に転じ、右肩上がりの成長をし続けています。
SOX指数は、やっとですが2014年に、2006年の最高値を更新できていました。
元値に戻るまで約8年、と気の遠くなるような年月ですが、2009年からはほとんど上昇相場です。
暴落により市場から退場してしまう、ということさえなければ、大きなリターンを得ることが可能、と考えられます。
暴落だけじゃない!ETF上場廃止のリスク
レバレッジETFの暴落時の破壊力は、分かりました。
ですが他にも、レバレッジETFには特有のリスクがあります。
レバレッジにより、通常の株・ETFより減価が大きいことや、経費率が高いことなどが上げられますが、
そもそもレバレッジETFは
上場廃止の可能性が、他のメジャーなETFにくらべてずっと高い
というリスクがあります。
上場廃止の可能性が高い理由として、大きく2つの理由があります。
① 暴落時は、レバレッジ分大きく値下がりすることで投資家の多くが投げ売りし、ETFの資金が枯渇、適切な運用ができなくなってしまう可能性がある
② そもそもアメリカ証券取引委員会が、レバレッジETFの規制を検討し続けている
①は分かりやすいと思います。普通のETFより値下がりも3倍ですから、普通のETFより早く売られるわけです。
みんなが手放したETFは、運用会社が十分な経費を得られないわけですし、もうからない商品が販売中止になるのは至極当然、ですよね。
②に関しては、ハイリスクなETFを特に何の規制もなく、通常のETFと同様に買えてしまう状況を、 アメリカ証券取引委員会がかなり以前から問題視していたようです。
実際、一部のレバレッジETFは上場廃止になっていますし、残ったETFの一部は3倍レバレッジから2倍レバレッジに、倍率が下げられてしまったものもあります。
この一部上場廃止、倍率引き下げは、先の「コロナショック」時におこりました。
これはレバレッジETF最大のリスク、を私は考えております。
仮にリーマンショック級の大暴落があっても、10年、20年とガチホ・ナンピンする勇気があれば、大きなリターンを得られることは分かりましたが、
でももし暴落中、ETFの上場廃止となってしまうと・・・
暴落中の値段で、強制的に現金化されてしまい、大幅な損失となってしまうかもしれません。
まさに「ちゃぶ台返し」。
投資戦略もリスク管理もへったくれもありません。
次にコロナショック級、またはそれ以上の暴落が発生した場合、また上場廃止について議論が再燃するかもしれません。
レバレッジETFで資産運用をする場合は、この
「上場廃止による大損害」
については常に警戒しておく必要がある、と私は考えています。
単純な価格下落以外にも、大きなリスクがある、ということを理解したうえで、投資するか否か、持ち続けるか否かを考える必要があると思います。
ちなみに上場廃止リスクについては、こちらのブログがわかりやすいです!
よそ様のブログですが、下の記事も他の記事も大変参考になるので、ご紹介させていただきます。
《SOXLの過去の暴落率:まとめ》
・ SOXLは、フィラデルフィア半導体指数 (SOX) の3倍の値動きを目指すレバレッジ型ETF
・ 上場開始から約11年間で、価格が約60倍になっている、ハイリターンなETF♪
・ 上場開始より、30%以上の下落を25回おこしている
・ 平均暴落率:-45.9% 最大暴落率:-83.8%、極めてハイリスク!
・ 暴落によるETFの上場廃止、法規制による倍率規制・上場廃止のリスクがある
・ 投資はよく考えたうえで、自己責任で行うこと
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《関連リンク》
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