ジョジョ第6部のラストを解説！「メイドインヘブン」の時間加速と宇宙の終焉ってどういうこと！？

2021-05-062021-12-14

おはこんばんわ！たこやきです。

今回は、難解なスタンドの多い第6部でも特にわけのわからない能力、プッチ神父の「メイドインヘブン」と、その後の宇宙の終焉とか運命云々について、徹底解説します！

完全ネタバレ内容ですので、未読の方でネタバレしたくない方は、ブラウザバックをお願いします。

また、プッチ神父が天国を目指した理由についても、私なりに考察したページがありますので、興味ある方はあわせてお読みください。

では、さっそく始めます。

プッチ神父のスタンド、「メイドインヘブン」ってどんな能力？

プッチ神父のスタンドの最終形態。「天国の時」を実現するのに必要な能力、「メイドインヘブン」。

そのスタンド能力は、「時間を加速する」というものでした。

正確には、「宇宙全体の時間が、指数関数的に加速されていく。ただし、プッチ神父以外の生物は加速されない」という能力です。

メイドインヘブンの能力は、あくまで「これだけ」です。それ以外のさまざまな状況・・・宇宙の終焉だとか、新たな宇宙の誕生とか、運命を皆が知っているとかは、ジョジョの世界観に付随する現象です。能力の一部ではありません。

メイドインヘブンは、時間を加速することで、「天国の時」に全人類を導こうとした、のです。

では、メイドインヘブンが導こうとした「天国の時」とは、一体なんだったのでしょうか。

プッチ神父の言う、「天国の時」って、何？

プッチ神父が目指していた、「天国の時」。かつてプッチ神父の親友であったDIOが生前、目指していたもの。

結論から言うと、天国の時とは「すべての人類が自らの運命を知り、知ったうえで覚悟して人生を全うする」というもの、いわば「達観」と言える状況です。

確かに、すべての人類が悟りの境地に立って生きるのならば、争いや差別などのない、人類にとって理想的な社会が実現するかもしれませんね。

結局、天国の時はエンポリオ少年によって阻止されます。そういった意味では、ジョリーン達は人類救済の道を断った悪人？と言えなくもないです。蛇足になりますので、私が思う「ジョジョの世界観における善と悪」については、またの機会に記事としてあげようと思います。

さて、そもそも「時間の加速」がどうして「全人類が運命を知る」ことになったのでしょうか？

宇宙の終焉って、何？

「宇宙の終焉」について真面目に調べてみると、物理学の分野においても諸説あるそうです。

難病を持ちながらも、理論物理学者として数々の功績を上げた車いすの天才、「スティーブン・ホーキング博士」の書籍「ホーキング宇宙の始まりと終わり」によれば、

宇宙は膨張し続けており、遠い将来、宇宙全体の粒子はバラバラになって、宇宙全体が冷たく冷えた状態（熱的死）となる

と解説しています。よし、眠くなってきたぞっと。

これはすなわち、「宇宙に終焉なんていない、ただただ広がっていくだけ」ということです。

なので、この理論が本当だとしたら、ジョジョの世界観における「天国の時」は起こらないこと、となってしまいます。

でもこれは、我々がいるこの宇宙の条件が、たまたまそういう条件だったから、らしいんです。

宇宙の膨張を構成する要素は、大まかに言って二つ。

①が強ければ、宇宙はより早く強く膨張しますし、②が大きいと宇宙全体はお互いの重力で惹きつけられ、膨張速度は弱まります。

すなわち、①：膨張速度がより遅く、②：重力がより大きければ、未来のどこかの時点で宇宙の膨張が反転し、収縮し、再び１点に収束する・・・そんな「宇宙の終焉」が起こりうるということです。

このビックバンの逆現象を「ビッククランチ」というそうです。

実際、宇宙はビックバンとビッククランチを交互に繰り返して、誕生と終焉を繰り返しているのでは・・・という説もあり、いまだ研究が進められている最中です。この説を、「ビックバウンス」というそうです。

確かに、この方が我々には受け入れやすい考え方ですよね。

ようするに、ジョジョの世界観における宇宙は、我々の宇宙とは違って「宇宙の終焉」が存在し、かつ「誕生」と「終焉」を繰り返している世界だ、ということになります。

ジョジョでは、運命はすでに決定している

また、ジョジョの世界観においては、「運命」はすでに大まかに決定されている、という、ちょっと絶望的な設定になっています。

ジョジョの世界において、運命が決定されているという描写はいくつもあります。

例えば、第3部のボインゴのスタンド「トト神」は、未来を予言するスタンドであり、予言は100％的中します。これはすでにどこかの時点で、未来は決定しているということですよね。

他にも、第4部の吉良吉影のスタンド「キラークイーン」第3の爆弾「バイツァ・ダスト」も、運命は決定しており、一度起こったことは過去に戻っても必ずまた起こる、といった内容でした。

第5部のディアボロのスタンド能力、「キングクリムゾン」の「エピタフ」も、数秒後の未来を見ることができるという能力で、これもまた運命が決定されているからこその能力です。

よくジョジョのラスボスは時間を操作する能力だ、と言われますが、それと同時に「運命を操作する」能力者だ、と言い換えることもできるわけです。

決定された運命が続くために、必要なこと

運命は決定されている。

そしてビッククランチからまたビックバンを起こし、新たな宇宙が創造される。

新しい宇宙が生まれますが、前の宇宙から生き残った生物たちがいます。

前の宇宙の生き残りの生物たちもまた、運命が決定されています。

決定された運命が全うされるためには、新たな宇宙にも地球が誕生し、生物が誕生し、人類が誕生し、ほとんど同じような歴史をたどり、彼らが歩んだ人生が存在する必要があります。

すなわち、「ほとんど前と同じ、新しい宇宙」に、彼らはたどり着くわけです。

前の宇宙からの生還者は、すでに未来を経験している

しかしこれだと、ただ単に新しい宇宙につきました、というだけになってしまいます。

ですがプッチ神父曰く、生還者たちは、前の宇宙での時間加速の際に、すでに宇宙終焉までの運命を経験しているというのです。

膨大な時間を超高速で体験しているわけですから、だれも認識できないはずです。ですが、精神で理解しているのでそうです。

これにより、自分がこの後どう生きるのか、どう死ぬのか、この後の未来をすべて感覚的に理解しているのだそうです。

そして前述したように、ジョジョの世界においては、運命は決定されており、変えることは（一部のスタンドを除いて）できません。

・・・自分がこの後どう生きるのか、どう死ぬのか知っており、しかもその運命に一切逆らえない、そんな人生。

死刑宣告というか、余命宣告というか、そんな感じですよね。

自分の運命に逆らえないと知った人間が、どんな気持ちで生きるのか、については、よく看護の世界で言われるキューブラー＝ロスの「死の受容過程」が当てはまるのではないでしょうか。

第1段階：否認と孤立

第2段階：怒り

第3段階：取り引き

第4段階：抑うつ

第5段階：受容

キューブラー・ロス「死の受容過程」

人間は、このような過程を経て、死を受け入れていくのだそうです。

プッチ神父は「全人類が覚悟して生きる」と言っていますが、おそらくそれが第五段階、「受容」に当てはまるのだと思います。

言うならば、悟りの境地のようなもの。

この段階に、全人類が到達することが「天国の時」の完成なんだそうです。

全人類が、人生の早い段階で悟りの境地に至れるとしたら、確かに素晴らしい世界になるのかもしれませんね。

でも、それでも争いや憎しみも、すでに運命に織り込み済みだとしたら・・・結局起きてしまうんですよね？

いずれにしても、人類は救われないようにも思えます。

まとめ

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